歴史と経済の関係がわかる 平清盛の本
『会計士が書いた歴史と経済の教科書』
――これが、この本のサブタイトルだ。
驚くなかれ、この本の著者は、誰もが知るベストセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者、山田真哉(公認会計士)である。
来年の大河ドラマ放送を控えて、「平家本」の出版ラッシュが続いているが、そのなかでもこの本は特に異彩を放っている。
注目の一冊だ!
「さおだけ屋~」の著者が、経済視点でひもとく平家滅亡の謎
今でこそ経済専門の山田氏だが、大学時代は日本史を専攻し、歴史研究者を目指したこともあるのだ。
特に、平清盛に関しては大変深い思い入れがあるという。
では、本をパラパラとめくって、中身を見てみよう。
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【目次(抜粋)】
●「貿易で巨万の富を得た」を素直に信じるのは子供だけ
●貿易で儲ける3条件
●いつの時代も「希少性」が歴史を動かす
●国内航路開発に隠された「真の目的」
●経営者が学ぶべき平清盛のすごさ
●貿易立国となるチャンスを逃した日本のその後
●日本経済最大のミステリー「宋銭普及」の謎
●銭をつぶせば救われる?末法思想がすべての始まり
●貨幣導入は清盛流の「景気対策」
●平安時代の消費者金融
●貨幣の歴史は「偽造」の歴史
●清盛をクーデターに駆り立てた4つの要因
●源平合戦の実態
●宋銭がまねいた”格差社会”
●謎の現象「銭の病」
●平安末期に激増した多額債務者
●富士川の戦い――逃げ出した平家の本当の姿
●平清盛最大の「失敗」とは・・・
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一見、ライトな感じを受けるが、大量の文献をベースにしているだけあって内容は非常に濃い。
誰も書かなかった平家滅亡の「真相」を知れるだけでなく、経済や通貨の知識も身につく。
歴史ファンのみならず、ビジネスマンにもお勧めの一冊。 (叉木)
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